「えぃ!うーん、うぅ。潮風が気持ちいいね。寄り道してよかったな」
「えぇ」
「ここで練習しよっかな。あ、みてみてあの雲。トランペットになんとなく似てない?」
「え、あれですか?まぁ似てると言われれば似てますね」
「でしょでしょ。あ、かもめ。二羽仲良くならんで。うぁ、べつべつの方向へとんでいっちゃった」
(来年の今頃は日野ちゃんとなかなかあえなくなってるんだろうな
今は同じ目標にむかってるけど、卒業したら俺はそばにいられなくなるから。こんなに君のそばにいたいのに」
「火原先輩?どうかしたんですか」
「アンサンブル、うまくいくといいなって思ってたんだ。」
「きっとうまくいきますよ。いつぞやの火原先輩とのセッションみたいに」
「そうだよね。あのとき見たいに絶対うまくいくよね」
「えぇ。あ」
「ジェット機だ。どこにいくんだろうね」
「ここから見えるんですね」
(なんだか、あいつを思い出すな。まっすぐで勢いがあって…、上をむいていて…。それでいてしなやかで。あいつに比べたらおれはまだまだかもしれない。負けられないな、あいつには。あ、いや、勝ち負けじゃなくてずっと一緒に高めあって行けたら。おれは…」
「わ。さっきのかもめ!別々にとんでいったと思ったらまた寄り添ってる、ほら」
(そっか一度離れてもまた寄り添うことはできるんだ。いつかあんなふうになれたらいいな、君と)
「よぉし、まずはアンサンブル。がんばるぞ。」
じゃぁさ、土浦。まずは体力づくりってことであそこの防波堤まで競争しない?
「え、あんな遠くまでですか」
「いい音楽を演奏するには体力も必要だよ。」
「体力ならおれも自信あります。まけませんよ」
「いったな。じゃ、負けたほうがケーキセットおごりってことで…、よぉいドン!」
「あ、ずるいですよ、火原先輩!ところで、なんでケーキセットなんですか?」
「セットのほうがお得だからー。」
posted by イチイマサコ at 21:55|
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